1.5次会(結婚パーティー)は友人幹事で余裕?

結婚パーティー幹事、友人に頼むのは「甘え」?プロの仕事(キャプテン・プランナー業務)との比較でわかる危険性
結婚パーティー(1.5次会や会費制パーティー)の準備を進める中で、多くのカップルが「幹事、どうしよう?」という問題に直面します。
「気心の知れた親友に頼めば、きっと盛り上げてくれるはず!」
「でも、大切な友人に負担をかけるのは、すごく申し訳ない…」
結論から言うと、友人に幹事を頼むことは可能ですが、新郎新婦が「プロの仕事」と「友情」を履き違えると、パーティーは失敗し、友情も壊れかねません。

なぜなら、幹事の仕事とは、新郎新婦が想像する「当日の司会」や「ゲームの企画」程度ではまったくなく、本来はプロのウェディングプランナーや会場キャプテンが1秒単位で現場を支配する、極めて専門的な領域に深く踏み込むからです。
この記事では、プロの現場ノウハウと比較しながら、友人に幹事を頼むことの危険性、そして「それでも頼む」と決めた新郎新婦が絶対にやるべきことを徹底解説します。
友人に幹事を頼むメリット(新郎新婦の期待)
もちろん、友人だからこそのメリットもあります。
アットホームな雰囲気: 内輪ネタや共通の思い出で、温かい一体感が生まれます。
二人らしさの理解: 新郎新婦の性格や好みを深く理解した企画が期待できます。
費用(表面上): プロの代行費用(10万円~)が(表向きは)かかりません。
しかし、これらのメリットは、友人の「無償の労働」と「当日の犠牲」の上に成り立っていることを忘れてはいけません。

最大のデメリット:友人は「プロ」ではない
友人に幹事を頼むことの最大のリスクは、「ゲストとして楽しめない」ことだけではありません。
「プロではない友人に、プロの仕事を丸投げしてしまう」ことにあります。
新郎新婦が「パーティーの企画」程度に思っている幹事の仕事には、本来、以下の高度な専門業務が含まれます。
1. キャプテン業務(当日の現場指揮と進行グリップ)の不在
プロの会場キャプテンは、インカム(無線)を付けたパーティーの「指揮者」です。
彼らは以下の業務を冷静に遂行します。
・1秒単位の進行管理(=進行のグリップ)
プロはタイムラインを「秒単位」で管理します。「スピーチが30秒押したから、次の歓談BGMを1曲カットして30秒巻く」など、常にパーティーのすべてを把握し、進行を完全にグリップ(掌握)しています。
・料理のコントロール
キャプテンは「今、新郎が挨拶に入ったから、キッチンは肉の火入れを2分待機」「あそこのテーブルは食べるのが早いから、次の料理を先にサーブしろ」と、温かい料理を最高のタイミングで提供するため、キッチンと常に連携しています。
・トラブルシューティング
音響トラブル、ゲストの体調不良など、新郎新婦に気づかせないレベルで即時判断・対応します。
【友人幹事の場合】
これらすべてを、素人である友人が担うことになります。お酒も食事もできず、常に時計を気にし、進行が押しても何もできず、ゲストは冷めた料理を食べ、会場スタッフに指示もできず、トラブルが起きればパニックになります。
2. プランナー業務(すべての付帯業者へのコントロール)の不在
プロのプランナーは、パーティーを成功させる「司令塔」です。
・事前準備(キューシート作成):
音響、照明、司会者、カメラマン、キャプテンなど、全業者の動きを事前統括し、「誰が」「いつ」「何をきっかけに」動くかを詳細に記した進行表(キューシート)を作成します。
・BGMと演出のコントロール:
「この曲の、このサビの瞬間に、扉を開けて入場させる」「手紙のシーンではBGMを30%まで絞り、読み終わった瞬間に60%に戻す」など、感動の波を音量やタイミングで設計し、音響スタッフと連携します。
【友人幹事の場合】
新郎新婦が「カメラマンは自分で手配した」「司会は別の友人に頼んだ」という場合、友人幹事がこれらの「付帯業者すべてをコントロール」しなければなりません。
連携ミスが起これば、「ムービーが流れない」「BGMのタイミングがズレて感動シーンが台無しになる」という致命的なミスに直結します。

3. アテンド業務(新郎新婦の専属ケア)の不在
アテンド(介添え)は、新郎新婦が最高に輝くためだけに存在する「黒子」です。
新郎新婦の先導:
新郎新婦がゲストの視線を集め、美しく歩けるよう、数歩先を歩きながら導線を作ります。
所作のサポート:
新郎新婦が座る瞬間に音を立てずに椅子を引き、ドレスのトレーンが最も美しく見えるよう瞬時に整えます。新婦が涙を拭う瞬間に、そっとハンカチを差し出します。
【友人幹事の場合】
友人は、新婦のドレスが足元でぐちゃぐちゃになっていても気づきません。新郎新婦が自分で椅子を引くことになり、その「美しくない所作」はすべて写真や映像に残ります。
4. 参加者への対応(ホスピタリティ)の不在
プロは、あらゆるゲストに対応する訓練を受けています。
当日の参加者への対応:
ドタキャン、飛び入り参加の金銭管理はもちろん、「酔っ払いすぎたゲスト」へのスマートな対応、「体調不良者」の迅速なケア、「迷子(お手洗いなど)」の案内など、全ゲストが快適に過ごせるよう目を配ります。
【友人幹事の場合】
幹事もパーティーの参加者です。友人との会話を楽しみたいのに、トラブル対応やゲストケアに追われ、新郎新婦の代わりに頭を下げて回る…という事態になりかねません。
結論:「友人幹事」は大丈夫ではない
友人に幹事を頼むとは、これら「指揮者」「司令塔」「黒子」「技術者」というプロの専門業務を、友情という名の無償ボランティアで丸投げすることに他なりません。
新郎新婦がこの事実を理解せず、「よろしくね!」の一言で済ませた瞬間、パーティーの失敗と友情の崩壊が始まります。
「大丈夫」にするために!新郎新婦が“絶対に”やるべきこと
「それでも、やっぱりあの友人に頼みたい!」
そう決めたなら、友人に負担をかける「覚悟」を持ち、以下のチェックリストを新郎新婦が完璧に実行してください。
1. 意識改革:「プロの仕事を無償で頼む」と自覚する
まず、「友情」という名のタダ働きに甘える意識を捨てます。「親友だからこれくらいやってくれるだろう」は絶対NG。「大切な友人に、お金を払うべき大変な仕事をボランティアでお願いする」という自覚を持ちましょう。
2. お礼:「会費無料」は当たり前+αの謝礼を用意する
これが最も重要です。
当日の会費(1万円など)を無料にする
これは「お礼」ではなく「最低ラインの経費」です。
プラスαの謝礼を渡す
1万円〜3万円程度の現金、商品券、または同等額以上の豪華なプレゼントを「お車代」や「御礼」として必ず渡します。
打ち上げの開催
パーティー後日、新郎新婦が全額費用を持ち、「ありがとう」を伝えるための打ち上げの席を必ず設けます。
3. 負担の徹底軽減:新郎新婦が“幹事以上に”働く(プロ業務の巻き取り)
友人の仕事を「当日の司会進行」と「ゲームの企画」程度に絞り込み、面倒な作業はすべて新郎新婦が巻き取ります。
【プランナー業務の巻き取り】
会場探し、契約、予算管理、出欠管理、ドタキャン対応、景品やプチギフトの手配は、すべて新郎新婦が行います。
【業者コントロールの巻き取り】
司会者、カメラマン、ムービー業者など、新郎新婦が手配した業者との連絡窓口は、すべて新郎新婦が担います。 幹事には「決定事項」と「業者の連絡先リスト」だけを共有します。
【キャプテン・アテンド業務の軽減(=外注)】
「当日の進行管理(グリップ)、料理のコントロール、BGMのきっかけ、新郎新婦の先導や椅子引きは、すべて会場のプロ(キャプテンやアテンド)に有料オプションでお願いしてあるから」と、会場側・幹事側双方に伝え、幹事が現場指揮を執らなくて済むように手配します。
【参加者対応の巻き取り】
「当日のトラブル(金銭、体調不良など)の責任者は私たち(新郎新婦)です。何かあったら幹事に判断させず、すぐに私たちに報告してください」と会場側・幹事側双方に伝え、幹事に判断を丸投げしません。
賢い選択肢(本当のおすすめ)
友人に負担をかけることに少しでも迷いがあるなら、以下の選択肢こそが、本当の「友情」を守る賢い選択です。
1,幹事代行業者に依頼する(プロに任せる)
費用はかかりますが、当日の運営、会計、業者コントロール、トラブル対応まですべてプロが完璧にこなしてくれます。何より、大切な友人全員が「ゲスト」として心からパーティーを楽しめることが最大のメリットです。
2,幹事不要の「会場プラン」を利用する
会場のプランナーやキャプテンが、幹事の役割も兼ねてくれるプランです。費用はかかりますが、プロの運営なので安心です。
結婚パーティーの幹事を友人に頼むことは、「大丈夫」です。
ただし、それは新郎新婦が「幹事の仕事=プロの仕事」だと深く理解し、その負担を自ら巻き取り(または外注し)、感謝を「お礼」という形で完璧に示すことが大前提。
ただし、それは新郎新婦が「幹事の仕事=プロの仕事」だと深く理解し、その負担を自ら巻き取り(または外注し)、感謝を「お礼」という形で完璧に示すことが大前提。
それが、パーティーの成功と、その後の変わらぬ友情を守るための、たった一つの秘訣です!
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